ドラゴンフラッグを解説【漢のロマン?】【高難度トレ】【できない人向けの練習法】

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ドラゴンフラッグを解説【漢のロマン?】【高難度トレ】

筋トレを趣味としている方なら「ドラゴンフラッグ」というエクササイズを知っているかもしれません。非常に高難度&高負荷エクササイズなので、ジムなどでやっている人を目にする機会はあまり多くないかもしれないですね。

今回の記事ではこのドラゴンフラッグの解説と、ドラゴンフラッグをやってみたい人向けに練習の仕方を説明したいと思います。

ドラゴンフラッグとは

レッグレイズとは違います

ドラゴンフラッグは一見、腹直筋の種目であるレッグレイズに似ていますが、レッグレイズとは違います。

ドラゴンフラッグ

上図のとおり、ドラゴンフラッグは腰やお尻をベンチにつけずに浮かせたまま、下半身を上下させることを繰り返すエクササイズです。いっぽうのレッグレイズは基本的に腰やお尻をベンチにつけたまま腹直筋の伸展を繰り返すエクササイズです。ドラゴンフラッグもレッグレイズもどちらも主動筋は腹直筋ですが、ドラゴンフラッグは姿勢を保持するために腹直筋だけではなく前鋸筋、広背筋、腕、握力などの筋力が十分に発達していることが求められるのです。

ヒューマンフラッグとは別物です。

よくメディアにも登場する「ヒューマンフラッグ」と呼ばれるエクササイズがあります。もしかしたらこちらのほうがドラゴンフラッグよりも有名かもしれません。もちろんドラゴンフラッグはヒューマンフラッグとは全く違うエクササイズです。

ドラゴンフラッグとメディア

ブルース・リーの銅像@香港 尖沙咀
ブルース・リーの銅像@香港 尖沙咀

ドラゴンフラッグは、1970年代に活躍し32歳の若さで急逝した映画スターであるブルース・リーが考案し愛好していたという逸話から名付けられたと言われています。

リーの名前の中国語表記が「李小龍」であったこともあり、リーはアメリカ映画界でアクション俳優として自身を売り込む際に「DRAGON(ドラゴン)」という言葉と彼のイメージを結びつけることにこだわったという逸話が残っています。

ブルース・リーのほかには、1985年に公開された映画「ロッキー4/炎の友情」で主演のシルヴェスター・スタローンがロシアの山小屋でのトレーニングでドラゴンフラッグを行っていたシーンも有名です。70年代生まれで80年代アクション映画に多大な影響を受けて育った私にとっては、ブルース・リーよりもスタローンの映画の方がより強く印象に残っています。

ドラゴンフラッグの腹直筋トレーニング種目としての効率は?

「腹直筋(腹筋)」の種目としてはぶっちゃけ効率がいいとはいえない(特に初心者)

ここでまず述べておきたいのですが、10代から何十年にもわたって筋トレを続けている私のモチベーションはボディメイクであり、もっと細かく言うとボディビルに寄っています。そのため、この記事でのドラゴンフラッグに対する私の意見はあくまでボディメイクを志向する一人のトレーニーとしての意見です。

ですので、特定の競技の補強用としてドラゴンフラッグはどうなのか?であるとか、全身や体幹の運動能力の維持向上の目的としてドラゴンフラッグはどの程度の有用性を持つのか?といった観点からの疑問に私は答えることはできません。

それを踏まえて、これはしばしば目にする意見ですし、以前ドラゴンフラッグを行っていた私自身も同意するところですが「腹直筋を効率的に鍛える種目」としてはドラゴンフラッグは「微妙」と言わざるを得ません。

なぜならすでに述べたようにドラゴンフラッグを行う際には腹直筋以外の筋肉も動員されるため、複数の筋肉が十分に発達(強化)されていることが不可欠となり、トレーニーとしてけっこうな高い域に達してはじめて腹直筋に十分な負荷をかけられるエクササイズというのは正直、遠回りだと感じてしまう、ということなのです。

例えるなら、自重チンニングです。一般的に筋トレ初心者には自重チンニングを効率的に行うことは難しく、特に女性は一回もできない人も珍しくありません。ここで自重でチンニングをたとえば10レップス程度できるまで、ひたすら自重チンニングだけを続けていくというのは、背中を鍛えるという目的からすると遠回りにすぎる、ということです。

この場合は、自重チンニングができないならばまずはラットプルダウンや、あるいはサポート機能が付いたチンニングマシンでエクササイズをしたほうがいいということです。

中級者にとってもコスパの悪さは目立つ

これは筋トレの初心者だけの話ではなく、トレーニングを何年も継続している人にとっても同様だと私は感じました。

  • ドラゴンフラッグをやると疲れすぎて他の種目に支障をきたす
  • 下半身の筋量が増えてくるとドラゴンフラッグがキツくなりすぎる

このような、腹直筋を鍛える種目としてはどうしても「コスパの悪さ」とでもいうべき感覚が生じてきてしまいました。

腹直筋に集中して鍛えるならレッグレイズ、クランチ、ジムに通っている人ならクランチマシン、ハンギングレッグレイズなど、純粋に腹直筋に刺激を入れられるエクササイズが他にたくさんあります。

こうしたことから、ドラゴンフラッグは純粋な腹直筋のエクササイズとして行うのではなく、体幹全体の強化や特定の競技のための補助用という位置付けで行うのがよいのではないかと個人的には思います。

もちろんロマン種目として「俺は龍の旗を揚げるぜ!」とトライするのも個人の自由ですね。筋トレなんて個人の好きなようにやればいいと私は思います。

プランシェ

体操競技のトレーニングとしても用いられている「プランシェ」というエクササイズがあります。このプランシェは体操競技をしているわけではない個人にも人気で、YouTubeでも多くの動画が投稿されています。個人的にはドラゴンフラッグはある意味、このプランシェに似たところがあるのではないかと思います。

脚の筋量(バルク)が増すとドラゴンフラッグの負荷も増す

大腿四頭筋を鍛えるレッグ・エクステンション

特にボディビルで高重量スクワットなどをやりこんで脚の筋肉が肥大してくると、それだけ下半身の重量が増すことになりますので、比例してドラゴンフラッグの負荷も増えます。私はある程度のバルク(筋量)のあるボディビルダーでドラゴンフラッグを行っている人を見たことがありません。

上述した映画「ロッキー4/炎の友情」主演のシルヴェスター・スタローンですが、私は以前、彼がインタビューの中で「脚の筋肉は肥大させすぎないようにしている。それはアクションシーンのパフォーマンスや俳優として演じられる役柄の幅の広さを考慮してのことだ」と語っていたのを覚えています。

このスタローンの発言に対して、同じマッチョ系アクション映画スターとして当時スタローンのライバルとして扱われることも少なくなかったアーノルド・シュワルツェネッガーが反論したとかしないとか、当時の映画雑誌だかボディビル雑誌だったかで目にした記憶がありますが、真偽のほどは定かではありません。

いずれにせよ、この作品で彼がドラゴンフラッグをトレーニングシーンに取り入れたことは、俳優としてのキャリアの中でエリート特殊部隊員やボクシングの世界チャンピオンなどを演じ続け、自身の肉体に説得力を持たせることを要求され続けてきたスタローンらしい選択だと私は感じます。現実にはドラゴンフラッグをトレーニングメニューに加えているプロボクサーはそれほど多くはないのではないかと私は推測しますが(というかいるのか?)。

さておき、この作品における、主人公ロッキーのライバルであるソビエト側のイワン・ドラゴが行う、最先端の理論をもって人体を極限まで強化するトレーニングに対抗するものとして、ナチュラルに昔ながらのやり方で人としての強さを高めるトレーニングの表現としてのドラゴンフラッグの説得力や見た目のインパクトは凄まじいものがありました。

少し話がそれてしまいましたが、ドラゴンフラッグをメイン種目として一生続けたいという人は(いるのか?)、下半身のバルクを考慮したトレーニング計画をたてる必要があるかと個人的には思います。

ジムで行う場合は周囲へ配慮を

身長178cmの私がフラットベンチでドラゴンフラッグを行った場合、脚を伸ばしたトップポジションでは足先の高さはだいたい2mになります。なかなかの高さです。もし私がジムのフリーウェイトエリアでトレーニングしていて、隣でベンチを使っている人がおもむろにドラゴンフラッグを始めたら「大丈夫かなぁ、倒れてきたらどうしよう」と正直、ちょっと怖いと思ってしまうかもしれません。

エクササイズ中にバランスを崩して倒れたりしたら隣の人の迷惑になったり最悪ケガをさせてしまうかもしれない、というのはドラゴンフラッグに限ったことではないのですが、ドラゴンフラッグは見慣れないエクササイズということもありジムで行う際には周りへの配慮が必要かと個人的には思います。

具体的にはフリーウェイトエリアが混んでいる場合や狭い空間ではやるべきではないかなと思います。

気兼ねなくドラゴンフラッグをやりたいなら自宅にベンチを用意するのもいいかもしれません。ドラゴンフラッグだけを行うならごくシンプルなトレーニングベンチで十分でしょう。

ドラゴンフラッグのフォーム

ドラゴンフラッグ  (トップポジション)

ドラゴンフラッグに正式なフォームというものがあるのかどうか私は知らないのですが、様々な資料や動画を見ていると、だいたいトップポジションはこのくらいまでとしているケースが多いようです。ボトムポジションから上げていって下半身が垂直になる手前で腹直筋にかかる負荷は抜けてしまいます。それ以上、脚を頭側に持ってきても腹直筋への刺激はほぼありません。

ドラゴンフラッグ  (ボトムポジション)

ボトムポジションはだいたいこのくらいまで下げます。繰り返しになりますが腰もお尻もベンチにはつけません!見ただけでそのキツさが想像できるエクササイズですよね。

ドラゴンフラッグの練習方法

すでに述べてきたように、ドラゴンフラッグは非常に強度の高いエクササイズのため、特に筋トレの初心者や、あるいは長年筋トレを続けている人でも「一回もできない」人も珍しくないと思います。それでいいのです。龍への道は一日にしてならず、です。

そこでここでは、私自身の経験から、どのように練習を重ねていけばドラゴンフラッグができるようになるのか、少なくとも8レップス程度はできるようになるのかについて解説したいと思います。

トップポジションから始めてはいけない

ドラゴンフラッグに初めて挑戦する人は、いきなりトップポジションからはじめることはおすすめしません。人によってはトップポジションを作ること自体が無理だったり、トップポジションから腹直筋を伸ばしつつゆっくり下ろしたいのに筋力が伴わず、ぐしゃっと格好悪く崩れてしまいがちです。

失敗を体験するとモチベーションを再び上げるのは難しくなる。ですのでまずはボトムポジションから練習を始めることをおすすめします。

ドラゴンフラッグ

この状態から始めます。膝は曲げた状態で構いません。腰とお尻は浮かせた方がベストですが無理ならベンチにつけてしまってOKです。「それレッグレイズじゃん!」と言われてもOKです。これはただの練習、いつの日か龍になるための練習の段階なのですから。

ドラゴンフラッグ

まず大事なのはトップポジションです。ボトムポジションから上げていくときはすでに述べたように膝が曲がっていようが腰がベンチについていようが構いませんが、最後のトップポジションだけは綺麗に決めます。若干下からしゃくるようにスッと脚を天に向かって伸ばしてやるイメージです。腹直筋を使って上げることに意識を集中してください。ドラゴンフラッグは肩や腕、太ももの運動ではありません。

ドラゴンフラッグ

同じく大事なボトムポジションまでの動作。ここからも気を抜かず、ぐしゃっと脱力しないよう、丸めた(収縮させた)腹直筋を伸ばしていく意識で徐々に体を下ろしていきます。

膝が体から離れるほど負荷が高くなります。正式なドラゴンフラッグのように膝を伸ばすと負荷は最大になりますので、10レップス程度できる膝の曲げ具合を自分で探してください。

2レップス程度しかできないようでは、その負荷はまだあなたには高すぎるということです。膝の曲げ具合、腰、お尻をどの程度ベンチにつけることを自分に許すか、などで負荷を調整してください。

龍への道は一日にしてならず、です。

おわりに

今回の記事ではドラゴンフラッグについてまとめました。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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