大阪駅の「性的な広告」問題

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

11月、Twitterを賑わせているのは大阪駅の「萌え広告」に対して性的であると批判が寄せられたという件。問題の広告は以下。

これを見てどう感じるかは、人それぞれだろう。

まず、僕は表現規制には絶対に反対の立場だ。映画、ゲーム、文学、あらゆる領域で理不尽なポリコレには言論などの表現で立ち向かうべきだと考えている。

ただ個人的にはいわゆる萌え文化にはまったくといっていいほど馴染みがないから、作品としての良しあしなどについて論じられるほどの素養はない。なので、今回の記事では当事者として意見を述べることはできないので、外から感じたことを述べるにとどまる。

日本のアニメが海外でも人気があるコンテンツであることを否定する人はいないだろう。ただ、もちろん国にもよるけど、国民の多数派が日本のアニメを愛好している国が世界の多数派であるとはまだ言えない状況であると僕は思う。これは世界的に名の知れた宮崎駿監督や新海誠監督の作品などを含めてもだ。

さらにそこから、その国の宗教感や倫理観のフィルターを通して、今回問題視されたような露出度の高い系統のコンテンツを良き文化として受け取ってくれる人たちとなるとかなりの人口がフィルターされてしまうのではないだろうか。

つまり少数派であり、攻撃に対しては極めて弱いということだ。

外国人の受け取り方

僕はこれまで、今回問題視されたような露出高い系のアニメが大好き、という外国人とは接したことがない。なのでそうではない外国人と交流した結果しか述べることができないのだけど、日本を訪れた多くの外国人は露出高い系の広告が駅などの公共機関に貼られている様子を見て驚くようだ。

「女性性の商品化だ!日本はけしからん!」と面と向かって責められたことはない。ただやはり興味津々の様子で「日本ではなぜあれがOKなの?」と聞かれる。

そこで僕は「あれはリアルな現実に存在する女性という概念から離れた表現形態で、あれを支持する人たちは別にリアルな女性と思って創作したり干渉したりしているわけではない。オタク文化、外見を重視するルッキズムによって社会から排除される人たち、などもふまえて考えるべき、日本が生んだ文化の一つだと(思う)」と説明する。

これは的外れな説明かもしれないし、うなずいてもらえるかもしれない。わからないが、重要な点は、当事者ではない僕は「思う」としか言えないということだ。

支持する人たちが発言することが必要

当事者ではない人がいくら「…思う」と言葉を尽くしたところで十分な説得力は得られないだろう。なので、やはり今回問題視されたコンテンツを文化だと主張するなら、それを支持する当事者が思想を言語化して伝えないと守れないと思う。

少し話がそれるが、僕は筋トレを趣味にしている。日本では長きにわたって、筋トレを趣味ないし競技として行っている人たちに対して、尊敬よりもむしろ嘲笑のまなざしが向けられてきた。「そんなに筋肉つけて何になるつもり?(笑)」というやつだ。

時代は移り、昔よりも筋トレを取り巻く状況はずいぶん良い状況になったと感じるけども、それでも日本で筋トレを行っている人口はわずか数パーセントにすぎず、メインストリームになるような状況からは程遠い。

それはなぜかというと、筋トレの世界はとにかく内向きだからだ。他者と競う競技の場は用意されているが、結局は自己との対話・戦いに完結するいう側面が強い。だから他者と論争をして打ち負かすことを好むような性格の人も少ない。

それでも筋トレが生き残っているのは、筋トレには特にイデオロギーやポリコレの観点から突っ込みどころが少なく、市場も小さい世界だからだろう。そんな小さな世界を攻撃したところで得るものは何もない。

しかし日本のアニメには多くの弱点があり、非露出強め系も含めれば巨大な市場がある。世界から抹消されないためには当事者が戦う必要がある。「日本は日本で好きなことをさせてくれ。ほっといてくれ」では勝てないだろう。

僕が不勉強なだけかもしれないが、イデオロギーを含めてアニメを真正面から語れる人というのは岡田斗司夫さん以降、出てきていないと思う。

今回問題視されたタイプの作品が、なぜ日本で生まれたのか、なぜ日本の社会でそれが許容されるのか、批判する側の人たちはいかなる価値観からそうしているのか。

そして、なぜ日本人がそれを守らなければならないのか。

こうしたことを論理的に語れる当事者が望まれていると思う。

凋落が不可避の日本に残されるものは

あと主に政治家の方々に言いたいことは、日本が没落することはもう不可避。製造業もダメだしIT創生にも失敗。日本には何が残るんでしょう?

有力な可能性の一つである日本の文化への攻撃を看過していたら、本当に何も売るものがない物乞い国家になってしまいますよ。その後はどこかの国の奴隷にされてしまうだけでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

You can also subscribe on SNS.